神楽坂
ふしきの

いつもお世話になっている新潟の酒屋の社長と、日本酒の世界では顔の広いお姉様方に連れられて、ミシュラン1つ星を獲得している神楽坂の”ふしきの”さんにうかがいました。店内は自然の風合いを活かした一枚板のカウンターのみで、9席ほどあったと思いますが、落ち着いた雰囲気で背筋がピンと伸びるような、いい意味での緊張感に包まれています。

また、こちらは器に対するこだわりが尋常ではなく、日本酒と酒器のセミナーなども主催されているほど。食器や猪口は今までに見たこともないようなものがほとんどで、ウン万円するようなものばかり…中には人間国宝の作品もあるとのことで、こういう貴重なものに触れられるというのも有り難いですね。

まずは先付け
空豆の豆腐 雲丹とワサビを添えて



1杯めのお酒は紀土-きっど-(和歌山) 純米大吟醸
こちらのお店はコースのお料理に合わせて、店長の宮下さんが最適な温度と酒器で日本酒を提供してくれます。この和食と日本酒のマリアージュこそが”ふしきの”さんの楽しみ!


相模灘(神奈川)美山錦 特別本醸造酒 槽場詰め 無濾過本生
1杯めはとても綺麗でフルーティなお酒でしたが、続いて出てきたのがこちら。無濾過の本生なのでフレッシュな感じはありつつも「相模灘」らしく香りは控えめで、食中酒らしい米の旨味を感じるタイプ。


蛤の酢の物
蛤、赤貝、とり貝など春を感じる貝類と、こごみ、筍などの春のお野菜が共演。サッパリとしたジュレで爽やかにまとまっています。


竹鶴(広島)純米吟醸生酒 初しぼり
“竹鶴”といえばウイスキーのあの竹鶴さんですが、日本酒のタイプとしては「熟成系」や「火入れタイプ」などゴリゴリの”男酒”が多いように思いますが、こちらは新酒の生酒と非常に珍しい1本です。(正式に言うと、日本のウイスキーの父と称されるニッカウヰスキーの創業者「竹鶴政孝」がこの竹鶴家の生まれなんだそうですね)


湯葉しんじょ
お出汁は蛤でとったものだそうで、あっさりしつつも竹鶴に負けない芯のある旨さ。菜の花が春を添えてくれています。


若駒(栃木)雄町 厳選槽場汲み
栃木の酒らしく甘みが主体にはなりますが、この若駒はバランスがよく飲み疲れないタイプのお酒で、最近とてもお気に入りの銘柄です。


金目鯛のお造り
塩でいただくタイプの金目鯛、脂がしつこすぎず、とても上品な味わい。


睡龍(奈良)涼 純米
独創的なラベルの奈良の酔龍。「涼」とありますが、こちらあたりから燗も織り交ぜつついただいた記憶があります。


八寸:(手前から時計回り)あん肝豆腐、とこぶし、ホタテのおろし和え、ホタルイカの酢みそ和え、シャコ、鯛の子

「日本酒の飲ませ上手や〜」と呟いてしまうくらい…笑、どれも非常に存在感のあるアテが6種盛りで出てきて、この辺りから日本酒も中盤〜終盤にさしかかり、グイグイと飲んでしまいます。


松の司(滋賀)純米 生


丹沢山(神奈川)阿波山田錦 麗峰
こちらも神奈川が誇る食中酒の代表格、「隆-りゅう-」などを醸す川西屋酒造店さんの「丹沢山」です。阿波山田錦を100%使用した熟成系の純米酒で、こちらも燗でいただいたと思います。


サーモンの西京味噌焼き、空豆、独活のきんぴら


妙の華(三重)純米酒 きもと山田錦90%
“るみ子の酒”で有名な「森喜酒造場」さんの”妙の華”は御神酒として使われているそうです。精米歩合は90%と低く、「Challenge90」と呼ばれるシリーズの第10章となっています。生酛で90%精米というと、どれだけゴツいか…と思いますが、低精米を感じさせない素晴らしい味わいです。


鶏団子と筍とふきの煮物
お料理は最初から最後まで本当に季節を強く感じるものばかり、これこそが”日本の四季、日本の食”だと思います。ふきと筍がやさしく炊かれていて、ホッとする一品でした。


桜の葉で巻いたサヨリの押し寿司
なんと…2貫づけだったのですが不覚にも撮影前に1つ食べちゃいました…。〆のお料理も本当にお洒落ですね、まさに旬のサヨリの押し寿司が桜の葉で巻かれて出てくるなんて。桜の葉の塩気でそのままいただけます、脱帽。


花泉(福島)純米無濾過生原酒 上げ桶直詰め
知名度では「ロ万-ろまん-」の方が上かもしれませんが、こちらも同じ蔵が醸す「花泉」です。


梅乃宿(奈良)昭和六十三年醸造 熟成純米吟醸酒
なんとなんと、最後に非常に貴重な昭和63年(1988年)のお酒をいただきました。いや〜…このお酒ができた頃、僕はまだ小学生です。梅乃宿さんというと最近では「UK-01」などの革新的な日本酒も作られていますが、こういった伝統的な部分も充実されていて蔵としての厚みがありますね。色々な意味で月日の重さを感じます。笑


デザートの和菓子:桜の薄氷



充実の和食に、日本酒のマリアージュが最高でした。
美味しかったのはもちろんですが、「燗してから冷ます」「加水してからの燗」や、器による違いなど、日本酒を色々な表情でいただくことができて非常に勉強になりました。ここまで温度や器によって表情を変える日本酒は本当に奥深いなと改めて思うのでした。

ご馳走さまでした!

ふしきの
03-3269-4556
東京都新宿区神楽坂4-3 TKビル2F

営業時間:19:00~23:00
定休日 :日曜日・祝日

神楽坂
ふしきの

いつもお世話になっている新潟の酒屋の社長と、日本酒の世界では顔の広いお姉様方に連れられて、ミシュラン1つ星を獲得している神楽坂の”ふしきの”さんにうかがいました。店内は自然の風合いを活かした一枚板のカウンターのみで、9席ほどあったと思いますが、落ち着いた雰囲気で背筋がピンと伸びるような、いい意味での緊張感に包まれています。

また、こちらは器に対するこだわりが尋常ではなく、日本酒と酒器のセミナーなども主催されているほど。食器や猪口は今までに見たこともないようなものがほとんどで、ウン万円するようなものばかり…中には人間国宝の作品もあるとのことで、こういう貴重なものに触れられるというのも有り難いですね。

まずは先付け
空豆の豆腐 雲丹とワサビを添えて



1杯めのお酒は紀土-きっど-(和歌山) 純米大吟醸
こちらのお店はコースのお料理に合わせて、店長の宮下さんが最適な温度と酒器で日本酒を提供してくれます。この和食と日本酒のマリアージュこそが”ふしきの”さんの楽しみ!


相模灘(神奈川)美山錦 特別本醸造酒 槽場詰め 無濾過本生
1杯めはとても綺麗でフルーティなお酒でしたが、続いて出てきたのがこちら。無濾過の本生なのでフレッシュな感じはありつつも「相模灘」らしく香りは控えめで、食中酒らしい米の旨味を感じるタイプ。


蛤の酢の物
蛤、赤貝、とり貝など春を感じる貝類と、こごみ、筍などの春のお野菜が共演。サッパリとしたジュレで爽やかにまとまっています。


竹鶴(広島)純米吟醸生酒 初しぼり
“竹鶴”といえばウイスキーのあの竹鶴さんですが、日本酒のタイプとしては「熟成系」や「火入れタイプ」などゴリゴリの”男酒”が多いように思いますが、こちらは新酒の生酒と非常に珍しい1本です。(正式に言うと、日本のウイスキーの父と称されるニッカウヰスキーの創業者「竹鶴政孝」がこの竹鶴家の生まれなんだそうですね)


湯葉しんじょ
お出汁は蛤でとったものだそうで、あっさりしつつも竹鶴に負けない芯のある旨さ。菜の花が春を添えてくれています。


若駒(栃木)雄町 厳選槽場汲み
栃木の酒らしく甘みが主体にはなりますが、この若駒はバランスがよく飲み疲れないタイプのお酒で、最近とてもお気に入りの銘柄です。


金目鯛のお造り
塩でいただくタイプの金目鯛、脂がしつこすぎず、とても上品な味わい。


睡龍(奈良)涼 純米
独創的なラベルの奈良の酔龍。「涼」とありますが、こちらあたりから燗も織り交ぜつついただいた記憶があります。


八寸:(手前から時計回り)あん肝豆腐、とこぶし、ホタテのおろし和え、ホタルイカの酢みそ和え、シャコ、鯛の子

「日本酒の飲ませ上手や〜」と呟いてしまうくらい…笑、どれも非常に存在感のあるアテが6種盛りで出てきて、この辺りから日本酒も中盤〜終盤にさしかかり、グイグイと飲んでしまいます。


松の司(滋賀)純米 生


丹沢山(神奈川)阿波山田錦 麗峰
こちらも神奈川が誇る食中酒の代表格、「隆-りゅう-」などを醸す川西屋酒造店さんの「丹沢山」です。阿波山田錦を100%使用した熟成系の純米酒で、こちらも燗でいただいたと思います。


サーモンの西京味噌焼き、空豆、独活のきんぴら


妙の華(三重)純米酒 きもと山田錦90%
“るみ子の酒”で有名な「森喜酒造場」さんの”妙の華”は御神酒として使われているそうです。精米歩合は90%と低く、「Challenge90」と呼ばれるシリーズの第10章となっています。生酛で90%精米というと、どれだけゴツいか…と思いますが、低精米を感じさせない素晴らしい味わいです。


鶏団子と筍とふきの煮物
お料理は最初から最後まで本当に季節を強く感じるものばかり、これこそが”日本の四季、日本の食”だと思います。ふきと筍がやさしく炊かれていて、ホッとする一品でした。


桜の葉で巻いたサヨリの押し寿司
なんと…2貫づけだったのですが不覚にも撮影前に1つ食べちゃいました…。〆のお料理も本当にお洒落ですね、まさに旬のサヨリの押し寿司が桜の葉で巻かれて出てくるなんて。桜の葉の塩気でそのままいただけます、脱帽。


花泉(福島)純米無濾過生原酒 上げ桶直詰め
知名度では「ロ万-ろまん-」の方が上かもしれませんが、こちらも同じ蔵が醸す「花泉」です。


梅乃宿(奈良)昭和六十三年醸造 熟成純米吟醸酒
なんとなんと、最後に非常に貴重な昭和63年(1988年)のお酒をいただきました。いや〜…このお酒ができた頃、僕はまだ小学生です。梅乃宿さんというと最近では「UK-01」などの革新的な日本酒も作られていますが、こういった伝統的な部分も充実されていて蔵としての厚みがありますね。色々な意味で月日の重さを感じます。笑


デザートの和菓子:桜の薄氷



充実の和食に、日本酒のマリアージュが最高でした。
美味しかったのはもちろんですが、「燗してから冷ます」「加水してからの燗」や、器による違いなど、日本酒を色々な表情でいただくことができて非常に勉強になりました。ここまで温度や器によって表情を変える日本酒は本当に奥深いなと改めて思うのでした。

ご馳走さまでした!

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03-3269-4556
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営業時間:19:00~23:00
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