渋谷、というよりは神泉に近いこのエリアは、道玄坂を上りきって交番の脇の小道を入っていくのですが、雰囲気のあるこの商店街に最近どんどん良いお店が増えていますよね。ホルモン焼きのアノお店や、オーセンティックバーの名店など…このブログには出てこないかもしれませんが、日本酒以外の目的でも僕がよく伺うお店があります。
ぽつらぽつらさんはその商店街の中程にあり、石造りのような雰囲気の建物に入り口正面は全面ガラス張り&木枠の扉となっており、外から店内も見えるんですが入る前から名店の香りがプンプンしています。席はカウンター主体で12〜13席と4人テーブルが2つあります。
まずは最初のお酒は、小左衛門(岐阜)の飲み比べ
左:純米吟醸 雄町 右:特別純米 美山錦
錫製の片口に一合ほどいれて、ガラスの猪口でいただくスタイル。
僕が知っているお店の中で「お通しが一番素晴らしいのはどの店?」と訊かれたら、文句無しのダントツで『ぽつらぽつら!』と即答しちゃうくらい、ここのお通しは味も彩りも素晴らしいです。
お通し8品盛り合わせ
(手前から時計回り)ぎんなん揚げ、柿、菜っ葉と菊のおひたし、鶏皮とキノコのソテー、シイタケと挽肉のカレー炒め、アオリイカのキウイソース、鮭フライのタルタルのせ、(何かの野菜の…)白和え
隆(神奈川)純米酒 雄町 “小藤”
吟醸香はほんのり香りつつ、旨味重視。
ぽつらぽつらさんは「和酒」にこだわられていて、日本酒が20種類程度とワイン(すべて国産)がそれ以上に揃っています。日本酒のラインナップとしては、ホームページにも記載があるので書いちゃいますが、溝ノ口の「坂戸屋」さん、池尻の「出口屋」さんを主に使われているそうで、やはり”しっかり系”の日本酒がメインです。華やかフルーティ系の銘柄は小左衛門くらいではないでしょうか?
ぽつらぽつら名物!野菜のテリーヌ
ヤングコーン、カリフラワー、モロッコインゲン、おくら、キャベツ、ブロッコリー、パプリカ、安納芋、インゲン、アスパラガスなどなど、色々なお野菜をトマト果汁でゼリー寄せにしてあります。トマト果汁って当然赤いものだと思ってましたが、しっかり濾すと透明になるんだそうです、味はトマトのまんま!!
この料理、目に美しいだけではなく、本当に美味しくて日本酒にも合うんです。テリーヌに合わせる為にスタッフさんが選んでくれたのは、王録(島根) “渓”。濃いめのイメージがある王録の中でも「渓」はサッパリしていて、お刺身などにも合いますが、酸味の効いたフレンチドレッシングに絡んだテリーヌにもGOODでした。
徐々に濃いめのお酒に移行…鶴齢(新潟)
山形産 極上「寒さわら」の柚庵焼き
隆(神奈川) 緑 うすにごり
さて、今宵のメインディッシュ!真鱈と法蓮草 白子のグラタン
裏ごしした白子と白味噌をちょっと混ぜたベシャメルソースに、具材として真鱈とホウレン草が入ったグラタンで、土鍋仕立てになっていてグッツグツ。グラタンなので当然洋食な感じではあるのですが、ソースに白子や白味噌が効いているからか「和」のテイストも感じさせてくれます。
王録(島根) “丈径-たけみち-”
味の濃いグラタンのようなお料理ですから、これにどんな日本酒を合わせるかって?もう悩むまでもなく、僕もスタッフさんも「これしかないでしょう!」ということで丈径でした、満場一致。むしろ、最後に丈径を飲むためにこのタイミングでグラタンが出て来たのではないだろうか、という程。素敵なマリアージュ…
こちらのお店は、もちろんお酒も素晴らしいのですが、とにかく群を抜いているのはお料理の質です。店主の米山さんは、居酒屋やフランス料理店などで修行されたそうで、「洋食」「和食」などとカテゴライズするのがナンセンスに思えてしまう独特の世界観のお料理たちです。
そのお食事たちを主軸にした時、さてどんなお酒を置きましょうか?と考えたら、まさにベストチョイスの日本酒なんだと思います、こちらのラインナップ。この料理あってこの日本酒あり、という感じ。素晴らしいです。
ご馳走さまでした!
ぽつらぽつら
03-5456-4512
東京都渋谷区円山町22-11 堀内ビル1F
http://www.poturapotura.com/
営業時間:18:00〜24:00
定休日 :定休無し